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弁護士インタビュー / パートナー弁護士

山岸洋弁護士 (38期)

Q1. 事務所の概要と理念を教えてください。

1990年に設立され、国内・国外を問わず幅広い分野の法務サービスを依頼者に提供する総合法律事務所です。2019年5月現在、在籍弁護士数は31名でパートナーによるパートナー・シップによる経営体制をとっています。

事務所の理念は、次のとおりです。

  1. 一人一人の弁護士が、依頼者のおかれた状況をきめ細やかにより深く理解し、依頼者の最善の利益を実現するために最適の解決方法を探究し実行します。当たり前のことですが、プロフェッショナルとしての高い志を持ち、依頼者のために考え、行動し、最善の結果をもたらすことを常に追求する弁護士の集まりでありたいと思います。
  2. 当事務所は、国内外を問わず、企業法務の様々な分野において豊富な経験を積んで参りましたが、さらに研鑽を重ね、企業の取り巻く環境の変化に即応し、時々刻々と変化するビジネスニーズに柔軟に対応できるよう常に努力を怠りません。
  3. 各弁護士に集積されたノウハウを共有・結集し、様々な案件に応じて最適のチームを機動的に編成します。これにより、複数の専門分野にまたがり最先端の知識や経験を必要とする大規模・複雑案件についても、迅速かつ効果的な問題解決が図られます。各弁護士の個の力を最大限活用し、事務所として有機的・効率的なアプローチを追求します。

パートナー弁護士のみならず、アソシエイト弁護士も含めた所属弁護士全員の役割分担により事務所運営を行っております。入所された弁護士にも、初年度から、事務所運営に参加頂いています。

Q2. 事務所が取り扱う業務の概要を教えてください。

当事務所には、比較的バランスよく、紛争解決、企業法務(会社法務、労働法務、知的財産法務、M&A・企業再編、ファイナンス、事業再生・倒産処理、国際法務など他分野)の各分野の専門家弁護士が在籍しており、これら弁護士の多様な知見・実務経験を生かしたクライアント・サービスを展開しています。

クライアントは、上場企業、非上場のオーナー企業、金融機関、ファンド、各種コンサルタント・専門アドバイザー、投資家・資産家など、多岐多様に亘っています。

これらクライアントの広範な法務ニーズに応えるため、国内法務に加え、国際法務についても、経験のある弁護士が、北米・欧州諸国や中国・ASEAN諸国・インド等を中心とする各地域の現地法律事務所等とも連携のうえ業務上必要な対応を実践しています。

近年、日本と海外をつなぐ業務は、日本企業の事業展開に応じ、着実に増加しており、アソシエイト弁護士にも、国内・国外の境界なく仕事を行う機会が豊富にあります。

事務所の業務の詳細に関しては、ホームページの記載をご覧ください。

Q3. 入所した弁護士はどのようにしてキャリアを形成し、成長していくのでしょうか。留学や出向の位置付けについても教えてください。

採用するアソシエイト弁護士には、将来パートナー弁護士になり、共に事務所経営に参加頂くことを期待しています。このような考えから、一歩先を進んでいる所属弁護士の知見やノウハウを惜しむことなく、積極的に後輩に伝えるとともに、共働する弁護士同士として議論を大切に積み重ねています。

入所された弁護士は、それぞれの成長・キャリア形成を目指し、事務所の同僚弁護士ともども、日々研鑽を重ねています。この点に関する各弁護士の個別の経験については、他の弁護士のインタビュー記事をお読みください。以下において、当事務所における入所した弁護士のキャリア形成・支援のありかたを、概括的に、ご説明します。

1.初年度から事務所の同僚弁護士とともに、主体的に案件に取り組む場を提供しています

案件にチームとして取り組むにあたり、アソシエイト弁護士を含む全チーム・メンバーが案件全体の情報を共有し問題解決に向け徹底した合議を行うことで、クライアント・サービスの質を高めるよう努力しています。

このチーム・ワークによる仕事の場面においては、入所初年度のアソシエイト弁護士にも、積極的・建設的に意見を述べることが求められています。各弁護士は、案件対応の都度、自分なりに調査のうえ意見をまとめて討議に臨むことが重要で、このような作業を地道に繰り返すことを通じ、着実な成長が期待できると考えています。

当事務所では、初年度から依頼者との面談、電話・メール等の連絡、調査、裁判所手続などに一人のプロフェッショナルとしての責任をもって取り組むことを重視しています。このため、アソシエイト弁護士が案件全体を俯瞰できないような業務(たとえば、案件の一部分の断片的調査など)は避けるような配慮をしています。

2.アソシエイト弁護士が所内の多くの経験ある弁護士と仕事をするため、部門制はとらず、事務所総体として幅広い業務分野を経験する機会を提供しています

弁護士としての将来にわたる長いキャリアを想定した場合、最初の数年間は、特定分野に限定された仕事を行うより、多様なクライアントのニーズに接し、異なる実務経験とノウハウをもつ多くの先輩弁護士と仕事を共有する機会をもつことが重要と思われます。

実際の案件では、クライアントの要請に応えるために多方面に亘る法務スキルを横断的に駆使することがしばしばあります。そのため、将来、専門分野と考えている法分野に限らず、多様な分野の業務に接しておくことが、弁護士として成長する重要な糧になると思われます。

当事務所には、会社法務、株主総会、M&A・組織再編、労働、知的財産、事業再生・倒産、投資案件、ファイナンス、国際法務などの各分野や、様々な法分野にわたる紛争案件を専門とする弁護士が多数在籍していますので、気軽に、所内での意見交換ができます。

成長過程にある弁護士としては、個別の案件対応でも、自ら徹底的に調査するという心構えが大切ですが、他方、経験のある同僚弁護士から、実務の勘所について気軽にカウンセリングを受ける機会があることが大切と考えています。

当事務所は、このような弁護士集団としての特性を生かし、アソシエイト弁護士が特定のパートナー弁護士や部門に帰属するのではなく、多くのパートナー弁護士と仕事をする仕組みによることにより、バランスよく実務経験を重ね、弁護士として成長されることを支援しております。

3.全ての弁護士の顔が見える事務所として、パートナー・アソシエイトを問わず、柔軟かつ自由闊達な弁護士相互の情報共有や所内研究会を通じた実務研究に取り組んでいます

弁護士としての成長には、所内の経験ある同僚との自由な意見交換や所内勉強会に参加することによるノウハウ獲得が重要です。

当事務所は、規模的にも、所内の全弁護士の「顔が見える」執務環境にあり、所内弁護士同士の情報共有や研究会(会社法務、M&A,ファイナンス、海外業務、労働法務など)を、定期的に実施しています。

また、新しい産業やテクノロジーの発展に伴うAI、フィンテック、シエアリング・エコノミー、エネルギーその他の新たな法領域などでは、各弁護士が新しい分野を深く研究をすることで、事務所に成果を共有する機会も大いにあると考えています。

アソシエイト弁護士には、時代に見据えた新しい問題意識を弁護士の業務のありかたを研究することを奨励しています。

4.成長のプロセスとして、出向(任期付公務員・民間有力企業)や留学を通じた外部における研修・実務経験をもつことを推奨し、事務所として成長を支援しています

当事務所では、本人のキャリア・プランや志向性を踏まえて、在籍出向・留学を積極的に推奨し支援する制度を用意しています。

出向中・留学中に事務所外で得た経験は、各人の将来にとり非常に有益ですし、その弁護士が、新しい知見を事務所に持ち帰ることは、変化する実務に事務所総体として対応するうえでも重要です。

これまでに、累計8名の弁護士が、官公庁(公正取引委員会・国税不服審判所)や民間有力企業の法務部に在籍出向、一定期間の業務協力などの法務部署における実務経験をもっております(企業内弁護士の職務経験をもつ弁護士も2名在籍しています)。

米国ロースクールやEU諸国の大学院に留学したパートナー弁護士も合計8名在籍しております。海外留学については、事務所として相応の経済的補助とともに、海外留学に関し留学経験のある先輩弁護士から有益なアドバイス得ることができます。

留学志望者には、留学前の仕事の配転を含めパートナー弁護士と意見交換したり、パートナー弁護士がカウンセリングする機会をもっています。

5.クライアントのニーズを見据えた得意分野・専門分野の確立を推奨し、これに協力しています

弁護士としてクライアントから信頼をもって仕事を託されるためには、他の弁護士より秀でたスキル・経験・研究成果を獲得し、得意分野や専門分野を確立してゆくことが、個々の弁護士にとって重要な課題であります。

この得意分野・専門分野の確立については、当初の5年~10年単位の弁護士の実務経験を通じ、先輩弁護士と共にその法分野に関連する仕事に対応してゆくこと、自主的に所内・所外の各種研究会に参加すること、その法分野の仕事において自分の特性を生かせるかどうか実務経験を通じて割り出すこと、などの地道な方法で探索していくことになります。弁護士の得意分野・専門性は、固定的なものではなく、長い弁護士のキャリアにおいて、その時々の法分野の進展やクライアントのニーズの変化に応じて変わることもあります。その時々の時代ニーズを鋭敏に感じ取りながら仕事をする姿勢が大切です。

当事務所では、アソシエイト弁護士がパートナー弁護士に定期的にキャリア・プランに関する自らの意見を伝えパートナー弁護士と協議する機会を設けていますし、日常的にもアソシエイト弁護士同士あるいはパートナー弁護士とアソシエイト弁護士がフランクに意見交換できる土壌があります。

この得意分野・専門性の確立については、其々の分野の特色や各弁護士の志向により、様々な考え方があり、分野の選択やその時期も様々です。例えば、入所された弁護士が、比較的早い時期に特定分野を絞りスキル・アップしたい希望がある場合、パートナー弁護士と協議の上、そのような方法をとることも可能です。

各弁護士が得意分野・専門性をもつことは、事務所の他のメンバーと相互補完的にクライアントの仕事を共有する方法でもあり、良好なリーガルサービスを実現するという観点からも非常に重要です。各弁護士が、実務経験を重ねながら、自らの実践的研究成果を所内でうまくシェアしてゆくと、他の弁護士から意見を求められる機会が増え、その分野の仕事を任せられるという、仕事のよい循環もつくることができると思います。

Q4. 事務所に入る弁護士としてどのような人材を求めているのでしょうか。

多様なクライアントニーズを満たすためには、様々な志向や能力、強みを持った多様な人材が必要であると考えており、弁護士として検討が要請される各種事象について自身の意見をもって議論をすることができるとともに、他者の意見にもきちんと耳を傾けることができることが重要です。

弁護士は様々なクライアントに直面する職業ですので、法律実務に限らないコミュニケーション能力も重視しております。

当事務所では、一年目のアソシエイト弁護士であっても、与えられた仕事を機械的に処理するのではなく、自ら主任弁護士と同様の自覚をもって事案の本質を見極める努力をし、徹底した調査・検討を行ったうえで、合議などの場で積極的に意見を述べ、クライアントのために全力で案件に取り組むことを求めています。一年目のアソシエイト弁護士にも、パートナー弁護士の補助ではなく、クライアントのために仕事をしているという出発点に立って案件に取り組むことを期待しており、そのような気概と素養をもった人材を求めています。

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